若手からベテランまで多くのシステムエンジニアが取得を目指す、情報処理技術者試験を短期合格するためのコツをご紹介します。
初めて情報処理試験を受験される方をターゲットに執筆していますが、何度か試験に落ちてしまっている方でも効果があると思います。
そんなアナタに効果覿面なコツをご説明します。
何のために資格を取るのかを考えておこう
資格は自分のために取ろう
この記事をご覧になっている方は、すでに情報処理試験を受験するつもりだと思いますが、
あなたは誰のために資格を取得しますか?
- 就職、転職するときに有利だから
- 会社からとれと言われたから
- なんとなく持っていたほうがよさそうだから
資格を取得する動機は人それぞれだと思います。
ただ、一つ言えるのは、「自分のために取得する」という強い気持ちを持って取り組んでいる人は、圧倒的に合格率が高いということです。
これは当然といえば当然ですよね。
『自分のため』と思えば、これから試験勉強をしていく上での力の源になります。
きっかけはどうであれ、今一度、何のために資格を取るのか考えてみてください。
資格を取ったらどんないいことがあるのか想像しよう
資格を取得するとどんないいことがあるのでしょうか?
学生であれば、就活のときにアピールできたり、学校から何らかの特典を得られるかもしれませんね。
会社勤めの場合は、報奨金がもらえたり、技術力を認められることで新たな仕事を頼まれるかもしれません。
こういったメリットも大きいと思いますが、私としては
資格を持っていることにより、自分に自信が持てるようになる
というメリットが一番大きいと思います。
「自分に自信が持てる」というのはどういうことか?
例えば会社勤めの方が情報処理安全確保支援士試験の資格を持っているとします。
高度区分というのはそれ以上の資格がありませんので、顧客との打ち合わせでセキュリティの話になっても、相手が自分以上の知識があるということはほとんどありません。
つまり、資格を持っていると「自信を持って判断ができるようになる」というのが一番のメリットだと思います。
勉強の事前準備
自分にとって良いテキストを購入しよう
たくさんの種類の試験対策テキストが販売されていますが、よくネット記事に
- このテキストは詳しく書かれていて読みやすい
- 図や表で纏められて説明が分かりやすい
といったレビューを見かけます。
もちろん参考にするのは良いと思いますが、最終的には本屋さんにいって実際に手に取って中身を確認してから決めるようにしたほうが良いです。
理由はお分かりの通り、テキストの読みやすさは人によって異なるからです。
メルカリなどで安く売っているからといって、中身を確認せずに購入するのはやめましょう。
書きやすい筆記用具を購入しよう
これは、高度区分の論文を含む試験を控えている方に気を付けてほしい内容です。
- ITストラテジスト試験 (ST)
- システムアーキテクト試験 (SA)
- ITサービスマネージャ試験 (SM)
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- システム監査技術者試験(AU)
高度区分を取得する方というのは、そこそこITに関しては勉強している方だと思います。
そういったIT通の方というのは、パソコンで書類作成することが多く、普段手書きで文字を書く習慣がないと思います。
そのため、書き慣れた筆記用具を持っているという人は少ないでしょう。
書き慣れたペンを持っている人は良いのですが、そうではない人は、えんぴつを購入しましょう。
理由は、あまり普段から文章を書かない人が2時間くらい集中して文字を書こうとすると、どうしてもシャープペンシルでは疲れてしまうからです。
論文試験というのは非常に頭を使うので、体の余計なところ(手首など)が疲れている場合ではないです。集中力が切れてしまいます。
もちろん、えんぴつでも長時間書いていれば疲れますが、シャープペンシルよりは負担が少ないと思います。
えんぴつに抵抗がなければ、えんぴつで練習&試験当日は挑んでほしいです。
今回必ず受かる気持ちを持とう
これが一番重要かもしれません。
よくあるのが、
「今回は午前問題を制覇して、次回は午後問題を制覇して合格する!」
といったスタンスで挑んでいる人は・・・
はっきりいって合格には程遠いです。
分かりきっていると思いますが、勉強してから半年や1年経つと内容忘れますから、複数回に分けて徐々に・・・というのは無謀ですし非効率です。
なので、「今回必ず受かる!」という強い気持ちを持って進めていきましょう。
学習方法
過去問を見て自分の弱みを見つけよう
情報処理技術者試験で出題される問題は過去問を流用して作られていますので、基本的には過去問を解くところから始めましょう。
そして、自分が解けない問題を見つけるのです。
例えば、
- 基本情報技術者試験で午前問題が全く解けない
- 応用情報技術者試験の午後問題でセキュリティの問題が解けない
- データベーススペシャリスト試験でSQL文が理解できない
などなど、まずは過去問題を解くことによって自分の弱点が分かると思います。
参考書を一通り読んでから解くスタイルもあると思いますが、私は
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
という、ことわざの通り、出題される問題と自分の実力を正しく知ることで、負けない勉強方法ができると思っています。
分からなければ先に答えを見よう
学習中によくありがちなのが、
答えが分からない場合、悩んだ分だけ力がつくはず → だからじっくり考えよう
とかいって、すぐに答えを見ないケースです。
これははっきりいって時間の無駄です。
分からないものは分からないですし、あてずっぽで当たっても本番では解けません。
答えが分からない問題、特に解くまでのロジックが分からない問題はすぐに答えを見ましょう。
悩む時間があったら答えを見て解き方を理解したほうが良いです。
どんどん答えを見て吸収していったほうがモチベーションを保ちやすいです。
解く問題のバリエーションを増やそう
過去問や予想問題集を解くときは、同じ年度の問題や同じ予想問題集ばかりを解くのはやめましょう。
次に受ける試験の問題のうち何割かは過去問から主題されますが、どの年(春or秋)の問題から流用されるかは分かりません。
当然、新しく作られる問題にしても、どういったキーワードを組み込んでくるのか私たちには分かりません。
そのため、「数撃てば当たる」ではないですが、極力解く問題のバリエーションを増やしていくようにしましょう。
論文のコツ
ここでは、高度区分の論文試験に関する合格のコツをお伝えします。
論文の書き方を覚えよう
情報処理技術者試験の午後2問題で出題される論文は、書き方のお作法があります。
基本的には、このお作法を理解していないと合格できないと思っても良いでしょう。
なぜなら、学生時代に大学の研究室で作成するような小論文とは構成がまったく異なるからです。
お作法に関しては、他のサイトや様々な書籍で詳細に説明されていますので、ここでは説明しませんが、「情報処理試験の論文にはお作法がある」ということをしっかりと理解しておきましょう。
採点ポイントを押さえよう
試験センターが公表している試験案内書には、午後2試験の評価方式として
- 設問で要求した項目の充足度
- 論述の具体性
- 内容の妥当性
- 論理の一貫性
- 見識に基づく主張
- 洞察力・行動力
- 独創性・先見性
- 表現力・文章作成能力
などを評価の視点として論述の内容をチェックする旨が記載されています。
「これらをすべて充足する論文を書け」といってもなかなか難しいですよね。
実は、採点者が論文を見るときは優先順位があるようで、上から順に充足しているか見ていくようです。
つまり、「設問で要求した項目の充足度」で基準を満たしていない場合はその時点でアウトということです。
例えば、実際に論文を作成するときは
- 設問に対する答えを論述しているか(設問で要求した項目の充足度)
- 数値などを用いて定量的に論述しているか(論述の具体性)
などに気を付けることで、採点者の気持ちを引き寄せることに繋がります。
余談ですが、論文試験というは採点者の裁量で「合格 or 不合格」が決まるので、採点者の気持ちを読み取らなければなりません。
論文の中に堅苦しい表現を入れても読みずらくなるだけなので、読み手を意識した文章作成を意識するのが重要です。
自分の工夫点をアピールしよう
高度試験の論文は実際の開発経験などをもとに論述していくわけですが、
万人受けする参考書に記載されているような、ありきたりなストーリーを記述すると
高得点を得るのは難しいでしょう。
その理由は、
- 高度試験を受験する人の多くは、中堅以降のシステムエンジニアである
- 中堅以降のシステムエンジニアは業務多忙な人が多い
- 業務多忙な人は、論文対策用にオリジナルのストーリーを考える時間がない
- 時間がないので、参考書に記載されているありきたりなストーリーを流用する
ということから、
これにより、高度試験の論文というのは、参考書に記載されているありきたりなストーリーが多いことが推測されます。
自分が論文試験の採点者になったときのことを考えてみてください。
ありきたりなストーリーの人の論文は特色がなくて点数を与えにくいと思います。
そこで、部分的にでも自分の思いや行動を入れて、少しでもオリジナリティのある文章となるように工夫しましょう。
文字数が不足しないように用意しよう
皆さんご存知のとおり、論文試験では文章が規程文字に到達しないとアウトです。
ここでポイントなのは、規程文字というのは空白文字を含めるのかどうかです。
実際に高度試験を合格している方やセミナーの講師に確認してみたところ、厳密に空白文字を除いてカウントしている印象は見受けられないとのことでした。
つまり、よほどスカスカではない限り、最低限、規定行まで埋めればOKのようです。
とはいっても、最低ラインまで到達していないと絶対に落ちます。
そこで、決め台詞のような文言を用意しておきましょう。
例えば、
「また、顧客要望による仕様変更が発生した場合に柔軟にシステム改修ができるようにした。」
といったフレーズを覚えておくと、文字数が足りない時に補うことができます。
試験の前日にやること
弱点のみ繰り返し勉強しよう
試験の前日に実施しておきたいのは、苦手な問題を繰り返し解くことです。
少しでも視野を広げるために、前日まで新しい問題にチャレンジするのも良いでしょう。
試験場までのルートや何時に家を出るか確認しよう
どんなに頑張っても試験会場に遅れたら元も子もないので、試験会場までの電車の乗り換え方や歩くルートをきちんと確認するようにしましょう。
早く寝よう
これは結構重要です。
情報処理試験の問題は記憶問題だけではなく、頭を使う問題も多いです。
そのため、脳がきちんと活性化するために必ず睡眠をするようにしましょう。
試験前日はきちんと寝て、次の日に備えるのが良いです。
試験の当日にやること
チョコレートを食べよう
いまとなっては有名ですが、頭を使うときは糖分を摂取するのが良いです。
私の感覚としては、チョコレートを食べると2~3割くらう頭の回転が良くなっている気がしています。
問題を解くときに印をつけよう
特に選択問題の午前問題の対策です。
基本的に午前問題は知識があるかどうかで決まります。
そのため、問題を見れば解けるかどうかが分かりますよね。
そこで、問題を解くときに「自信あり(○)」「あまり自信がない(△)」「自信がない(×)」といった記号を残すと後々が楽になります。
論文の記述ミスは二重線で訂正しよう
こちらは論文対策ですが、論文を記述しているときに
がっつり文字を間違えた時や文中の細かな誤字はどうするの?
という質問に対する回答です。
時間があれば消しゴムで消して書き直すべきですが、時間がない場合には記述した部分を二重線で訂正してしまいましょう。
変に消しゴムで消すと後がついたりして読みづらくなり、採点者に悪いイメージをもたれてしまいます。
書けない漢字はひらがなで書こう
このご時世なので良くあると思いますが、普段字を書かなすぎて漢字を思い出せない場合は、堂々とひらがなで書きましょう。
うろ覚えで漢字で書いて、漢字が間違っていると点数にならないようです。
自信がない場合はひらがなで書くことをおすすめします。
まとめ
色々書きましたが、私が一番重要だと思うのは
「今回必ず受かる気持ちを持とう」
の部分です。
誰だって資格は取得したいし、取得すればメリットがあるのは分かっていますが、なかなか合格できないのは
「次回でいいかな」
と思って途中で諦めてしまうからです。
次回ではなく今回合格を目指して頑張りましょう。
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